「平常心」は、落ち着いた心のこと?

第2回の語りに登場した『無門関』第十九則「平常是道」。番組では、問答から日常へ一歩踏み出しました。ここでは動画の物語を繰り返さず、問答の続きと、無門の評を辿ってみます。

問答の続き|現代語で辿る

『無門関』は、無門慧開が編んだ公案集です。一つの話に、無門自身の評と、短い詩のような「頌」が添えられています。第十九則では、趙州が師の南泉に、仏道とは何かと尋ねます。南泉の返事が「平常心是道」。ふだんの心が道だ、という一言です。

けれど、話はそこで終わりません。趙州は、それなら道へ向かおうとすればよいのか、と重ねて尋ねます。南泉は、向かおうとすると離れてしまう、と答える。では、向かおうとしなければ、どうして道だと知ることができるのか。趙州の疑問は続きます。

南泉はさらに、道は「知る」にも「知らない」にも属さないと語ります。知ったつもりで作った思い込みにも、ただ何も分からないままの状態にも、収まらない。ここでは、そのように言い換えて読んでみます。南泉は道を広々とした大空になぞらえ、無理に是非で区切れないと述べます。問答の終わりには、趙州がその言葉を聞いて悟った、と記されています。

悟ったあとにも、三十年

面白いのは、その次です。無門は、趙州が悟ったとしても、なお三十年の参究が必要だ、と評します。一度「分かった」と言えば終わり、という読み方には収まらない、少し手厳しい一言です。

続く頌には、春の花、夏の風、秋の月、冬の雪が現れます。問答を読み終えたあと、身近な季節の景色が置かれているのです。

ここからは、このページでの読み

あえて遠くの特別な景色を探さなくても、季節は目の前で移り変わる。その景色に心を向ける読み方もできるでしょう。ただし、これは私たちの受け取り方の一つです。何も考えず、いつも穏やかでいなければならない、という決まりではありません。

「平常心」と聞くと、緊張しないことを思い浮かべるかもしれません。でも、この問答の趙州は、分からないことを重ねて尋ねています。答えを急いでつかもうとすることと、問いを続けることは、同じではない。その違いを考えながら読むと、短い一言の後ろに、もう少し広い景色が見えてきます。

本文・評・頌の参照:正眼寺『無門関』第十九則。上の説明は独自の現代語による要約と解釈です。漢文の参照資料は、下の「出典・参考資料」に掲載しています。

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出典・参考資料

火星隕石 Teghaza 001 の研究紹介|NASA

研究に参加したニューメキシコ大学の紹介

『無門関』第十九則「平常是道」の参照原典|台湾大学(PDF)

隕石が見つかったのは2022年、研究の紹介は2026年です。生命が発見されたという発表ではありません。

職場の二人の場面は創作です。鉱物の測定と、人に尋ねることを同じ方法とは扱っていません。禅の問答から日常へつなぐ部分は、AI語り手の解釈です。

Q
番組づくりについて

語りは短く、音楽の流れを大切に。聴きながら、自分のペースで過ごせる番組を目指しています。

この番組ではAIで生成した音楽と合成音声を使用しています。サムネイルの石はイメージで、研究対象の実物写真ではありません。

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